建材メーカーを断罪 18回目の勝利判決

 関西建設アスベスト京都2陣訴訟の判決(被害者30人、原告43人)が3月23日京都地裁で言い渡されました。

 松山昇平裁判長は、アスベスト被害に対する建材メーカーの責任を認め、メーカー5社(A&Aマテリアル、太平洋セメント、ニチアス、ノザワ、MMK)に対し、2億2445万円の支払いを命じました。一方解体作業などに従事していた原告6人の訴えは棄却しました。なお、敗訴原告も含め30人全員が国とは和解が成立し勝利しています。

 判決は、被告・建材メーカーらは遅くとも1975年には、石綿含有建材が石綿関連疾患を引き起こす危険性について予見可能であり、「建材メーカーらには警告表示義務違反があり、共同不法行為責任を負う」と、企業責任を認めました。

 村山晃弁護団長は、「企業の責任を認めた勝利判決。ただし、解体作業に従事していた原告の訴えは不当に棄却された。本判決を受け、アスベスト被害者の早期完全救済と被害根絶に全力を尽くしたい」と話しました。

 遺族原告は「解体作業も同じ現場の仲間。解体作業だけが被害を認められないのはおかしい。石綿含有建材を使った建物はまだたくさんあり、被害者も出てくる。企業は責任を全面的に認めてほしい」と訴えました。