建設アスベスト神奈川3陣訴訟は、2024年12月9日、横浜地裁で結審しました。裁判所には150人余りの仲間が集まり結審を見守り、勝利判決を勝ち取る決意を固めあいました。
判決は、4月16日(水)11時と指定されました。
原告2人意見陳述 「全員救済」訴える
法廷では、原告2人が被害を訴え全員救済の判決を求める意見陳述をおこないました。
陳述した遺族原告は「職種の差別、命に線引きされた判決は納得できません」「正義の裁判があると信じ」ていると裁判官に迫り、同じく本人原告は、自身の闘病生活、死に直面している苦しみを語り、「アスベストが原因で死んでいった仲間の思いをつなぐこと、それこそが私の責務」と意見陳述に立った決意を述べ、「生きているうちに」勝利判決をと訴えました。
解体工、屋外工救済が焦点
神奈川3陣訴訟は、最高裁判決をくつがえして、屋外作業者に対する国と建材メーカーの責任、解体作業者に対する建材メーカーの責任を認めさせることができるかどうかが焦点です。
解体作業については、最高裁判決は建材に警告表示をしても経年劣化等で消失するなど実効性がないと判断し建材メーカーの責任を認めませんでした。
最高裁判決をくつがえすため、弁護団は、法律家、専門家の意見書、東京訴訟での証人尋問調書などを提出し、建材メーカーが適切に警告表示していれば解体時にもアスベスト建材を確認できることを主張、立証してきました。
屋外作業についても最高裁で当時危険性が認識できなかったとの判断に対して、1980年代には、NHKクローズアップが「検証・石綿汚染」と題して屋外作業でもアスベスト粉じんが高濃度で飛散することが紹介されていたことなど、当時から屋外作業においてもアスベストの危険が認識できていたことを主張、立証してきました。