東京2陣 東京高裁で結審

 3月1日、建設アスベスト東京2陣訴訟は、東京高裁で結審しました。

 法廷では原告団、弁護団が最後の意見陳述をおこない被害の全面救済と早期の訴訟の解決を求めました。

 意見陳述した遺族原告は夫を失った悲しみを語り、「裁判所は何度もメーカーの責任を認めているのに、メーカーが和解に応じようとしないのは、時間稼ぎをしているように思えてしまいます。裁判を起こしてから今までに多くの原告が亡くなっていますし、メーカーが早く和解に応じなければ、さらにたくさんの原告が解決の前に亡くなることになります。『いのちあるうちの解決を』という私たちのスローガンをしっかりと受け止めてほしいです。」と訴えました。

 また東京2陣訴訟は、屋外作業や解体作業に対する建材メーカーの加害責任を認めさせることが重要な争点です。弁護団は、NHKの番組「クローズアップ」が1987年に屋外作業の危険性を示し対策の必要性を訴える特集を放映していたこと、1970年代にはすでに各建材メーカーがアスベストの危険性を認識し、1980年代には海外の規制強化と被害補償の問題を認識していたことなど、建材メーカーができたはずの適切な警告表示をおこなってこなかったことを新たな証拠を示して立証してきました。

 結審にあたって裁判長は、原告数が多く個別の認定に時間を要すること、原告から和解による早期解決の要請があることなどから判決は追って指定するとしました。

 和解協議が迫る東京1陣や神奈川2陣と連携した早期解決が求められます。