ノザワと原告4人和解成立

2023年5月19日、左官の原告4人と被告ノザワとの和解が成立しました。その内容は、被告ノザワが、最高裁判決において、建材メーカーが一定の要件のもとで被害者に対して損害賠償義務を負うと判断されたことを厳粛に受け止め、同最高裁判決等を踏まえ、控訴人らに深くお詫びし、控訴人らに対し、解決金を支払うというものです。

建設アスベスト訴訟で集団的な和解が成立したのは全国で初めてで、これまで解決に背を向け続けてきた建材メーカーが全面解決に向けて足を踏み出す大きな転機になる重要な成果です。

ノザワ以外の被告企業5社は和解を拒否したため、5月31日、11時の判決と迎えることになります。

6月30日には大阪地裁判決、秋には最大の原告団の東京1陣訴訟差戻審が結審を迎えます。

全面解決に向けて、他の建材メーカーにも解決を迫り、全国の訴訟の全面解決を決断させる運動を広げましょう。

裁判所前で和解の報告

5月19日、急きょ決まった和解期日にもかかわらず、裁判所前には、原告・弁護団のほか、支援の仲間50人ほどが集まりました。和解の手続きを終えた原告・弁護団から裁判所前で和解成立の報告を受けると、大きな拍手と歓声に包まれました。

参加した原告は、喜びとともに、弁護団、組合、支援の仲間への感謝を述べ、あらためてすべての被害者の救済を訴えて「最後までよろしくお願いします」とあいさつ。

神奈川建設労連の仙田書記長は、「1陣提訴から15年。ついに全国初の企業との和解を勝ち取った。5月31日の判決を機にいっそう運動を強め、神奈川1陣訴訟の解決と全国の全ての訴訟の全面解決をめざそう」と訴えました。


建設アスベスト神奈川1陣訴訟は、2021年の最高裁判決で、ニチアス、エーアンドエーマテリアル、MMK、ノザワ、大建工業、太平洋セメント、計6社との関係で原告22人(被害者単位)が東京高裁に差戻され、2022年2月から計4回の審理がすすめられてきました。

2022年11月22日に開かれた第4回期日で結審し、同時に裁判長は「和解による解決が望ましい」として被告企業に和解を勧告。年明けから和解協議がおこなわれてきました。

ノザワ以外の被告企業5社との関係では、5月31日、11時に判決が出されます。